神秘的な自然と歴史が交差する場所、それが熊野本宮大社(くまのもとぐうたいしゃ)です。和歌山県熊野市に位置し、古代の信仰の中心地であり、世界遺産にも登録されたこの神社は、日本の霊峰である熊野三山の一つでもあります。
今回は、そんな霊験あらたかな聖地、熊野本宮大社で執り行われる例大祭について紹介します。
熊野本宮大社の歴史と例大祭

熊野本宮の地に神が祀られたのは、今から2000年ほど前と言われています。それから幾星霜、人々の信仰に支えられ、今では「伊勢へ七度、熊野へ三度」と言われるほどの信仰の聖地となっています。
熊野本宮大社例大祭は、毎年4月13日から15日の3日間にかけて行われます。13日に行われる湯登神事は、和歌山県の無形民俗文化財に指定されています。
熊野本宮大社例大祭

1.湯登神事(ゆのぼりしんじ)
例大祭初日の13日には湯登神事が行われます。この湯登神事は、神職・楽人・稚児が湯の峰温泉で身を清めたあと、潔斎湯峯王子社で祭典を行い、稚児を肩車した状態で「熊野古道大日越え」と呼ばれる約3.5kmの険しい山道を進み、山中にある月ヶ丘神社にて八撥神事(やさばきしんじ)を行ってから、旧社地である大斎原へと向かいます。
この時、稚児の人数は12名と決まっており、これは熊野本宮大社の神様が12柱のためです。
稚児の額には、朱色で「大」という文字が書かれており、これは、神様が降臨した印であり、祭典の間は神事以外で地面に足をつくことが禁じられます。
2.船玉大祭(ふなたまたいさい)と前夜祭
例大祭2日目の14日には船玉大祭と前夜祭が行われます。この船玉大祭は、大漁満足と海上安全を祈る漁師や造船関係者の祭典となっています。また、「前夜祭」は神職だけの神事となっています。
3.本殿祭(ほんでんさい)
例大祭3日目の15日には、朝から熊野本宮大社の御社殿前で本殿祭が執り行われます。ご祭神の徳を称え、国家安泰を祈念する重要な祭事で、熊野本宮大社例大祭の中核をなす祭典となっています。
また、祭典の中では、数百人の参列者全員による玉串奉奠(神様が宿るとされる榊の木にシデや麻を結びつけたものをお供えする)が行われます。
4.渡御祭(とぎょさい)
本殿祭が終わると、渡御祭が行われます。渡御祭は湯登神事の神職・楽人・稚児に加え、平安衣装を身にまとった400人もの氏子が獅子舞、旗、神輿を担ぎ練り歩きます。
「神輿を揺らし、花を飾ることで神様が喜ぶ」と言われており、神輿の前後には挑花(ちょうばな)と呼ばれる祭典を象徴する花飾りを奉じます。
本殿にて八撥神事(やさばきしんじ)を行った後、音無川に架かる橋を渡り旧社地である大斎原へと向かいます。
5.御田祭(おんだまつり)
旧社地では、斎庭神事「御田祭」が行われます。神職による斎庭神事や、地元の学生による大和舞や巫女舞の奉納、幼児による五穀豊穣を願う御田植神事などが執り行われます。
その後、修験者による護摩炊き、総代会による餅投が行われ、夕暮れの頃になると旧社地の大鳥居を後に熊野本宮大社へ帰社します。
6.還御祭(かんぎょさい)
御田祭を終え、帰社した熊野本宮大社にて最後に行われるのが還御祭です。3日間の例大祭を終えた御祭神が本宮へ御還りになる神事です。
この還御祭を以て熊野本宮例大祭は終了します。
霊験あらたかな聖地熊野本宮大社で例大祭に参加しよう
いかがだったでしょうか。今回は、熊野本宮大社例大祭について紹介しました。
2000年以上の歴史を持つ熊野本宮大社、その霊験あらたかな聖地で年に1度行われる例大祭。毎年4月13日から15日にかけて行われますので、年度の始まりに今年1年の大安と繁盛を祈って参加してみるのはいかがでしょうか。