和歌山県南部では古くから食べられているウツボ。しかし多くの方にとって、ウツボは水族館では見たことがあっても、食材としてはあまり馴染みのない魚なのではないでしょうか。この記事では、そんな和歌山名物ウツボについて紹介します。
ウツボとはどんな魚?
ウツボは「ウナギ目ウツボ亜目ウツボ科」の魚類の総称です。世界にはおよそ200種類ものウツボが存在しており、主に温かい地域の浅い水域に生息しています。
体長は20cm~4mと幅広いですが、多くは1m前後。ヘビのように長くくねくねした体に派手な模様、そして大きな口に鋭い歯が生えており、いかにも獰猛なビジュアルをしているのが特徴です。
その見た目の怖さから「海のギャング」などと呼ばれていますが、実はとても臆病な性格で、岩陰やサンゴ礁の隙間に隠れるようにして生活しており、こちらから刺激しない限り攻撃してくることもありません。
すごくグロテスクな見た目だけど…本当に食べられるのかな?
見た目で判断したらあかんで!
ウツボの栄養素
ウツボの旬はおもに11月頃~3月頃にかけての寒い時期。市場に出回るウツボに毒はないものの、鋭い歯で噛みついてくることもあるうえ、複雑に入り組んだ小骨の処理が困難と、非常に料理人泣かせな魚です。
そんなウツボには良質なたんぱく質やカルシウム、鉄分が多く含まれており、身と皮の間には豊富なコラーゲンが含まれています。また、陸に打ち上げられても30分以上生き延びられるという生命力の高さから、滋養強壮にも効果があると言われています。
さらに、産後の女性が食べると、母乳の出が良くなる、体の回復に効果があるという言い伝えもあり、昔から重宝されてきたようです。
見た目から敬遠されがちなウツボですが、このように栄養抜群で魅力的な食材なのです。とは言え、気になるのはその味ですよね。次の項では、おすすめのウツボ料理を紹介します。
コラーゲンが豊富だから美肌効果も期待できるんだね!
小骨が多くてさばくのが難しいことが、ウツボが全国的に流通しない理由らしいで~
ウツボの食べ方
刺身
出張から帰ってきたよー
— ことこん (@gotokonohu) May 23, 2019
これは和歌山で食べたウツボの刺身。白身魚とは思えぬ野性味溢れる味でした pic.twitter.com/u9EM1crNvH
刺身はウツボ本来の味を楽しめる食べ方です。フグに似た弾力のある歯ごたえと上品な甘さが特徴。薄造りで提供されることが多く、透き通るように美しい白身は見た目にもフグと間違えるほどです。
タタキ
タタキは身と皮の間のコラーゲンを活かした調理法で、食べる直前に皮目をさっと炙ることでより美味しくいただくことができます。お好みの薬味を添えて、ポン酢やわさび醤油などを付けて食べるのがおすすめです。
唐揚げ
ぶつ切りにした身に片栗粉をまぶして油で揚げる、ウツボの唐揚げ。外はパリッと、中はふわっとした食感です。じっくり揚げることで身と皮の間のゼラチン質のうまみが増し、ジューシーな味わいを楽しむことができます。
鍋
手打ちそば「さいこう」で
— Hiro_Rhul@FF14・Tiamat (@hiro_riho) March 9, 2020
ウツボ鍋ご馳走になった♪
食べる地域は和歌山の他は四国や静岡位らしい…
身は淡白だけど皮と身の間がプルプルでコラーゲンたっぷりな感じ
(^q^)#白浜町#さいこう#ウツボ pic.twitter.com/33sFl52Anw
ウツボ鍋はコラーゲンたっぷり。皮と身の間がプルプルした食感で、噛めば噛むほど旨味が口の中いっぱいに広がります。野菜やきのこ、豆腐といった定番の具材と一緒に、醤油やみりんなどのシンプルな和風の味付けでいただくことが多いようです。
どれも気になるけど、新鮮じゃないと食べられないお刺身を食べてみたいな!
お店によって、他にも色んな食べ方があるで~!
まとめ
「海のギャング」と呼ばれるほど恐ろしい見た目をしているウツボですが、味は上品で、豊富な栄養素が含まれています。和歌山県内には、白浜町や田辺市を中心にウツボ料理を楽しめるお店がたくさんありますので、訪れた際はぜひその美味しさを味わってみてはいかがでしょうか。